Sequel
2009.07.12 Sunday
三沢光晴追悼特番を見る(その1) 僕はもう危険技に喝采しない。
JUGEMテーマ:プロレス
三沢の追悼特番をようやくゆっくり見れた。
懐かしい映像が満載。中学時代くらいからの思い出に浸ってしまった。
うまくまとめられないけど、思うところを書き連ねてみよう。
僕は元々、新日本プロレスしか見ていない奴だったので、三沢光晴というレスラーを知ったのは、タイガーマスクのマスクを脱いで、川田や小橋と超世代軍を結成した後くらいだ。僕は中学生だった。
その頃からどっぷりとプロレスにハマって、毎週、『週刊ゴング』を買うようになったし、会場にも足を運ぶようになった。
勿論、三沢の試合も何度か見たけど、白状すれば当時から基本的には僕は川田のファンだった。
そんな僕でも、三沢の名場面は記憶に残っていて、やっぱりテリー・ゴディ&スティーブ・ウィリアムスのSDD(“スーパー−・デンジャラス・デュオ”と言うか“殺人魚雷コンビ”の方が通りがいいかな?)との世界タッグ戦が最高だった。あのゴディのパワー・ボムをウラカン・ラナで返すシーンが最高だ。僕が三沢の最高の名場面を選ぶなら迷わずこのシーンを選ぶ。
結果として晩年(というのが辛いのだけど)になって、超世代軍時代には、夢の対決だった闘魂三銃士との対戦も実現したわけだけど、本音を言えば、15年前に実現して欲しかったカードだよ。
この特番はこの20年くらいのプロレス界の流れを追いかけるような構成になっていたけど、やっぱり後半になるに従って、技の危険度が増していく。投げっ放しや垂直落下は当たり前、コーナーからの雪崩式、場外への投げっ放し、花道からの投げっ放し……アナウンサーが「死んでしまう!」と絶叫していたけど、実際に三沢は死んでしまった。いや、三沢だけじゃないな、他にも死んでる。いつ死人が出てもおかしくない攻防の連続。
こうなった最大の要因はファンのニーズだろう。
かつてのストロングスタイルを標榜して原点回帰を目指した選手や団体もあったが、結局は上手くいかず、危険な技で盛り上げていく方向を選んだ。それはそうしなければ、ファンが付いてこなかったからだ。
この流れにストップをかけなければ、絶対に同じ悲劇が繰り返される。
統一コミッション制度が出来ても出来なくても、試合の中での禁止事項を明確にすれば良い。これまでにもルールを明確にしようという試みは何度かあったけど、結局、ファンの支持を得られずに失敗していた。
でも、これからは決められたルールの中で、どれだけ魅せる試合をするかというのが、プロの技術の基準となるべきだ。それを見せてくれれば、自ずとファンは付いてくる。
無責任に危険な技に喝采する時代は終わるべきだ。
<追記>
今回の三沢の死の少し前に、TBSの『金スマ』でボクサーの辰吉丈一郎の特集があった。うちの奥さんはあれでスッカリ辰吉のファンになったようだ。実際、命がけで目標に向かう辰吉の姿は格好良い。
ただ、僕はそれを煽るTBSの姿勢は間違ってると思う。
どう見ても、辰吉はパンチドランカーの症状が出てるし、このまま続ければ、リングで死ぬことも有り得るような状態だ。
今は辰吉について、そんな状況でも闘い続ける男の中の男みたいな扱いをしているけど、もし、辰吉が試合中に死ぬことがあったりしたら、どうするつもりなんだろうか?
ファンのニーズによって危険技がエスカレートするプロレスと同じだ。ファンが支持するから辰吉的な生き方が正しいという流れを作ることは間違ってる。本人が死を覚悟して挑んでいるとしても、それが危険だと判断すれば止めるのがマスコミの仕事だと僕は思う。
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その頃からどっぷりとプロレスにハマって、毎週、『週刊ゴング』を買うようになったし、会場にも足を運ぶようになった。
勿論、三沢の試合も何度か見たけど、白状すれば当時から基本的には僕は川田のファンだった。
そんな僕でも、三沢の名場面は記憶に残っていて、やっぱりテリー・ゴディ&スティーブ・ウィリアムスのSDD(“スーパー−・デンジャラス・デュオ”と言うか“殺人魚雷コンビ”の方が通りがいいかな?)との世界タッグ戦が最高だった。あのゴディのパワー・ボムをウラカン・ラナで返すシーンが最高だ。僕が三沢の最高の名場面を選ぶなら迷わずこのシーンを選ぶ。
結果として晩年(というのが辛いのだけど)になって、超世代軍時代には、夢の対決だった闘魂三銃士との対戦も実現したわけだけど、本音を言えば、15年前に実現して欲しかったカードだよ。
この特番はこの20年くらいのプロレス界の流れを追いかけるような構成になっていたけど、やっぱり後半になるに従って、技の危険度が増していく。投げっ放しや垂直落下は当たり前、コーナーからの雪崩式、場外への投げっ放し、花道からの投げっ放し……アナウンサーが「死んでしまう!」と絶叫していたけど、実際に三沢は死んでしまった。いや、三沢だけじゃないな、他にも死んでる。いつ死人が出てもおかしくない攻防の連続。
こうなった最大の要因はファンのニーズだろう。
かつてのストロングスタイルを標榜して原点回帰を目指した選手や団体もあったが、結局は上手くいかず、危険な技で盛り上げていく方向を選んだ。それはそうしなければ、ファンが付いてこなかったからだ。
この流れにストップをかけなければ、絶対に同じ悲劇が繰り返される。
統一コミッション制度が出来ても出来なくても、試合の中での禁止事項を明確にすれば良い。これまでにもルールを明確にしようという試みは何度かあったけど、結局、ファンの支持を得られずに失敗していた。
でも、これからは決められたルールの中で、どれだけ魅せる試合をするかというのが、プロの技術の基準となるべきだ。それを見せてくれれば、自ずとファンは付いてくる。
無責任に危険な技に喝采する時代は終わるべきだ。
<追記>
今回の三沢の死の少し前に、TBSの『金スマ』でボクサーの辰吉丈一郎の特集があった。うちの奥さんはあれでスッカリ辰吉のファンになったようだ。実際、命がけで目標に向かう辰吉の姿は格好良い。
ただ、僕はそれを煽るTBSの姿勢は間違ってると思う。
どう見ても、辰吉はパンチドランカーの症状が出てるし、このまま続ければ、リングで死ぬことも有り得るような状態だ。
今は辰吉について、そんな状況でも闘い続ける男の中の男みたいな扱いをしているけど、もし、辰吉が試合中に死ぬことがあったりしたら、どうするつもりなんだろうか?
ファンのニーズによって危険技がエスカレートするプロレスと同じだ。ファンが支持するから辰吉的な生き方が正しいという流れを作ることは間違ってる。本人が死を覚悟して挑んでいるとしても、それが危険だと判断すれば止めるのがマスコミの仕事だと僕は思う。
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Comment
私も三沢さんをデビュー当時から見ています。当初の全日本としては異質の新人で均整のとれた筋肉質の体格は将来を嘱望されるものでした。タイガーマスク時代は体調によって試合の出来不出来がありましたが、それこそどんな技でも使おうと思えば使える、よけようと思えばよけられる、というセンスを感じていました。あまり知られていない技としては若手の頃はビルロビンソンばりの肩と首をしっかり固めて投げるダブルアームスープレックスが綺麗でした。体調のいいときのドロップキックは打点が高く、スピードもあり、頂点で体をバク転のように反転させて受身をとるすばらしいものでした。後年は助走つきで繰り出していましたが、助走なしでも綺麗に決めていました。タイガー時代、小林戦で見せていた佐山タイガー式のサマーソルトキックは、あの身長でやるのは大変難しかったと思います。あまり知られていないですが、リッキー式のサイクロンホイップも上手でした。確かタイガーデビュー後、2度目のTV登場の際に見せていました。最初の試合はあまりよくなかったですが、こちらの試合はとてもいい動きで最後はドラゴンスープレックスでしたね。他にもマスクを脱いでからも若い頃はいろいろな技を見せてくれました。馳のノーザンライトスープレックスを出したこともあります。試合後のコメントではあの技はホールドした時手がはさまる形になって痛いから好きではない、といった感じのことを言ってました。ウラカンラナも上手だったですね。打撃はエルボーはもちろんですが、タイガーで決起軍を率いていたころのキックはかなり痛そうでした。ひどかったのは川田に対してロープに飛ばして返ってくるところをカウンターでハイキックを顔面に決めたことがあります。川田はしばらく口を押さえて悶絶していました。川田への攻めはいつも厳しかったですが、寮生活時代は本当に殴っていたそうですから打撃も手加減なしだったんでしょうね。年をとってからは確かに動きに精細を欠いて、スープレックスも角度が悪く、技も動きも悪くなりました。でも腰と首と膝が痛ければ何の練習もできませんから、きっと自分でも早く引退したかったろうと思います。器用に色々は技をこなす若いレスラーは増えていますが、三沢さんのように技の美しさと説得力、意外性と強さを兼ね備えた本当の意味の天才レスラーを見ることができたのは幸せだったと思っています。どうかゆっくり休んで頂きたいと願うばかりです。
| J | 2009/08/12 3:20 PM |
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