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ジャンプ打ち切り漫画列伝『不可思議堂奇譚』


『不可思議堂奇譚』は連載タイミングとか読者層とか、もろもろの条件でヒットに結びつかず、打ち切りになった作品かも知れません。だって、今読むとなかなか面白いから。

どんなお話かというと、夢や希望を失った人だけが入れる「不可思議堂」という店があり、その店で買った不思議なアイテムによって訪れた人の人生が変わっていく。という一話完結型の人情話。僕の印象としては、不幸にならない『笑ゥせぇるすまん』という感じだと思います。

作者はえんどコイチ。最大のヒット作はやっぱり『ついでにとんちんかん』ということになるでしょう。抜作先生たちが畳み掛けてくるギャグに当時、僕も大笑いしてしました。ただ、えんどコイチのその後のキャリアを考えると、『とんちんかん』が大ヒットが彼にとってマイナスに働いてしまった部分もあるかも知れません。

『不可思議堂奇譚』は『とんちんかん』の次にえんどコイチが「ジャンプ」で連載した作品です。と言っても、5年も間が空いているんですが、それでやっぱり当時のえんどコイチに読者が期待していたのは『とんちんかん』的なギャグだった気がします。少なくとも僕はそうでした。なので、5年空いているとは言え、ギャグを期待した読者には肩透かしだったと思います。それぐらい『とんちんかん』の残したインパクトは強烈だったんです。

また、諸々含めて中学生、高校生くらいがメインだった当時のジャンプ読者には、感情移入し辛かったかも知れません。出てくる登場人物は大人が中心。毎回のエピソードの主人公は閉鎖寸前の孤児院の先生だったり、場末のバーの歌手だったりといった感じですし、何よりエピソードの案内人となるメインキャラが「でかい体にでかい態度、太い眉毛に大きな眼鏡」というえんどコイチ曰く「女性にとってのマイナスイメージをすべてかねそなえた」という不可思議穣と、老婆・不可思議無量ですから。キャラ人気も出ないでしょうね。


“お穰”こと不可思議穰


穰の母・不可思議無量

ちなみに『不可思議堂奇譚』はちょうど『アウターゾーン』と入れ替わるようなタイミングで連載されています。かなり毛色は違いますが『アウターゾーン』のホラー要素を抜いてハッピーエンド展開にすると『不可思議堂奇譚』になるかも知れません。あと、同時期の連載作としては『地獄先生ぬ〜べ〜』があります。「一話完結のいい話」というのをジャンプでやるなら『ぬ〜べ〜』的な作品になるのかも知れません。

というように当時の「ジャンプ」ではヒットしづらい作品だった『不可思議堂奇譚』ですが、作品そのものは面白いです。人生に絶望して不可思議堂を訪れた人たちに、穣が優しさを潜ませた毒舌をぶつけるのは痛快です。特に第1話がオススメです。


穰の愛のある毒舌が読みどころ

えんどコイチは『『とんちんかん』と同時期に人情話の『死神くん』を連載してました。『とんちんかん』のヒットに隠れてはいますが、『死神くん』もそれなりに長期連載された名作です。なので、そもそもギャグだけの人ではないんです。『とんちんかん』が大ヒットしてしまったことで、読者はギャグを期待するようになり、結果、彼の作品の幅を狭めてしまったのは否めません。残念です。

『不可思議堂奇譚』の最終話で、無量が娘・穣のためを思って彼女に「普通で幸福な人生」を送らせようとします。しかし、穣はその人生を否定し、本当に自分がやりたいことを選択します。


えんどコイチの心の声?

穣のこの台詞に、「あんたはギャグマンガ描けばヒットするよ」という周りの声に反発するえんどコイチを重ねてしまうのは、考えすぎでしょうか?

ということで、『不可思議堂奇譚』は単行本1冊という短期打ち切り漫画ではありますが、エピソードは1話完結なので物語はキレイにまとまっています。是非ともJコミとかで広く読めるようにしてもらって、再評価して欲しい作品です。


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