Sequel
2015.11.11 Wednesday
#本棚の10冊で自分を表現する ということで選んでみた。
Twitterで「#本棚の10冊で自分を表現する」というタグを見つけました。
いろんな人が10冊本を選んでて、どれもなかなか個性的で面白いです。
で、自分でもやってみました。
#本棚の10冊で自分を表現する ・男坂 ・ベルトーチカ・チルドレン(小説) ・カンガルー日和 ・コンシェルジュ(漫画) ・水滸伝(北方謙三) ・パンタクル ・BLUE GIANT ・広島東洋カープ大事典 ・ラジオデイズ ・ロードス島戦記(小説) こんな感じかな?
— Zhi-Ze (@zhi_ze) 2015, 9月 29
よく「本棚を見ると人柄がわかる」と聞きますが、今回の場合「10冊」という縛りがキモになってて、「自分はこういう人間だと思われたい」というのが、この10冊で表現されているように思います。
なので、もしかしたら、この10冊に選ばれなかった本棚の本にこそ、その人の本質的なものが眠ってるかも知れません。
それは僕も例外ではなく。
今回、選んだ10冊(というか10作ですかね)は、やっぱり「僕がこう見られたい」という思いが透けて見える選書になってます。
といったあたりを踏まえて、僕の「#本棚の10冊で自分を表現する」を紹介していきたいと思います。
男坂
すっかり僕自身も忘れつつある状態が続いてますが、このブログの企画の一つに「ジャンプ打ち切り漫画列伝」というがありまして、ほぼ更新が止まってるにも関わらず、意外と検索されてアクセスしていただいてる方も多いです。
もともと「週刊少年ジャンプ」の打ち切り漫画コレクションという趣味がきっかけで始めた企画だったんですが、最近、諸事情あってコレクション自体が停滞してます。
とは言え、ジャンプの打ち切り漫画は、今でも僕の本棚の中でもそれなりのスペースを占めています。その中で代名詞的なものを1作と言えば、やっぱり『男坂』でしょう。あの「未完」のラストシーンのインパクトは打ち切り漫画史上に残ります……
……の筈だったんですが、これがなんと続きが出てしまったんですよ!
僕のコレクションの定義が「単行本3巻以内で終了した作品」なので、『男坂』は既にコレクションには含まれていないことになります。にも関わらず、敢えてこの選書に加えるあたりに、僕の自意識が垣間見えるかも知れません。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン
僕が生まれて初めて映画館で見た映画は『機動戦士ガンダム』の1作目です。
もっとも僕にその時の記憶は残ってなくて、作品のパンフレットと父の証言から断定しています。ただ、物心ついた頃には、「ガンダム」が好きだったのは間違いない事実です。
本棚には「ガンダム」関連の作品も結構あるんですが、その中から1冊となると『ベルトーチカ・チルドレン』を選びます。
なんでかって言えば、本棚に並んでる「ガンダム」関連の本の中でこの本が一番古いからです。
僕が持ってるのは「角川文庫」で出た初版です。買ったのは小5か小6。
その当時、一応、読んでみたんですが、内容が理解できなくて挫折。ちゃんと読んだのは大人になってからですね。改めて読むとこれが面白かったんですよね。
カンガルー日和
20歳になりたてくらいの頃に、村上春樹にどっぷりとハマッた時期がありました。
『風の歌を聴け』から初めて、片っ端から著作を読んでました。単純に作品を読むだけでなくて、村上春樹の描く小説の登場人物的なライフスタイルに憧れて、いろいろ実践もしてましたが、それは黒歴史にしておきたいと思います。
最近は春樹作品からはちょっと離れてまして、新刊が出たらすぐに読むみたいな感じではないですし、持ってた本で処分したものも、結構あります。
それでもこの本だけは繰り返し何度も読んでますね。短編集なんでふとした時に手を伸ばすには丁度良いんです。「あしか祭り」とか好きですね。
コンシェルジュ
今はなき「週刊コミックバンチ」は僕が創刊から休刊まで、継続して購読してた雑誌です。もちろん、バックナンバーが全部残ってるなんてことはありません、というか雑誌そのものは一冊も残ってません。
創刊から読んでましたから、作品への思い入れは結構あって、当初は単行本も結構買ってまして。ただ、ほとんど処分してしまい、本棚に残ってるのはごくわずかです。そんな中でこの『コンシェルジュ』は全巻揃ってて、なおかつ今でも定期的に読み返してます。
内容的にお客さん相手の仕事をしてる人なら、確実に共感したり、参考になってりする作品だと思いますし、純粋に漫画として面白いです。何か1作、誰かに漫画を薦めるとしたら、僕は『コンシェルジュ』を推しますね。
ちなみに『〜プラチナム』『〜インペリアル』と連載誌を「ゼノン」に変えて続編が続いてます。こちらはチェックしてなかったですが、「ゼノン」の無料連載版がキンドルで最近、配信され始めまして、そこに『〜インペリアル』が掲載されてるので、『〜インペリアル』は読み始めました。
「バンチ」はマイナーながら、面白い作品もそれなりにあって、『満腹ボクサー徳川』と迷ったんですが、今回は「万人に薦められる作品」ということで『コンシェルジュ』を選びました。
水滸伝(北方謙三)
歴史小説、時代小説は昔から好きです。
小学生の頃に『三国志』にハマって以来、硬軟取り混ぜていろいろ読みましたが、1作選ぶなら、今は北方謙三の『水滸伝』ですね。
もともと『水滸伝』が大好きで、『水滸伝』に関連した本も本棚に結構あります。駒田信二訳の『水滸伝』とか吉岡平『妖世紀水滸伝』とかも捨てがたいところですが、北方謙三の『水滸伝』は『水滸伝』とか歴史小説とか、もろもろのジャンルを飛び越えて、今の僕が一番好きな小説なので、これはもう絶対に外せません。
当初はハードカバーで全巻揃えたんですが、それは全部、友人に譲って、改めて文庫で買いなおしました。文庫は巻末に解説もついてますし、何より持ち運びに便利。いつでも読めるメリットは大きいです。あと若干、加筆もありますね。
続編の『楊令伝』『岳飛伝』については、『楊令伝』を全部読んでて、これも当然面白いです。『岳飛伝』は完結してからまとめて読もうと思ってて、読みたいのをグッとこらえてる状態ですね。
何度も読み返したくなるんですが、何せ大長編ですので、読み始めると長くなりますし、何かきっかけが欲しい感じはあります。現在、キンドル版が出てるので、これを改めて買い直しつつ、もう1回読もうかなと思ってます。
パンタクル
今では信じられないかも知れませんが、僕が小学生の頃、本屋の一角にゲームブックのコーナーがありました。と言うか、僕より少し下の世代になると、そもそもゲームブックが分からないかも知れません。「攻略本のこと?」とか思うんでしょうか?
まあ、ゲームブックについては、ちょっと検索してもらえば、詳しい解説も読めますので、ここでは詳細は省きますが、とにかくかつてちょっとしたブームになってたことは間違いないです。ただ、多くのブームがそうであるように、粗製濫造などがあり、わりとすぐにブームは終焉を迎えました。
それでも、当時、僕はゲームブックを読み漁ってました。今にして思うと漫画しか読んでなかった僕が、小説というか文字だけの本を読むようになる、橋渡しをゲームブックがしてくれた気がします。
最近でも細々とゲームブックは新刊が出てまして、当時の本も復刻されてます。『ソーサリー』全4巻とかも持ってるんですが、ブームの頃、僕がメインで読んでたのは日本人作家の作品だったので、ここは『パンタクル』にしました。
ただ、実は僕、まだ『パンタクル』は読んでません。『パンタクル』は難易度も高めで、始めるのに覚悟がいるんですよね。
……てなこと言ってるうちに、息子(高2)が3度目のチャレンジでクリアしたみたいです。先を越されました。
BLUE GIANT
ここ最近で一番好きな漫画は『BLUE GIANT』です。
『BLUE GIANT』を読む以前から、ジャズは好きだったので、ジャズ漫画と聴いて読み始めたのですが、予想以上に面白かったです。
本作についてジャズ漫画という側面がクローズアップされがちですが、それを抜きにしても青春群像劇として抜群に面白いです。ジャズに興味がなくても十分に楽しめます。
実を言うと、今回の10冊の中で『BLUE GIANT』だけは本棚にありません。理由は僕が持ってるのはキンドル版だからです。なので厳密に言えば、今回のテーマから外れてるかも知れません。
ただ、最近は僕が本を買う場合、ファーストチョイスはキンドル版です。
最大の理由はスペースの問題。既に本棚の限られたスペースから本は溢れ出し、普段あまり読まない本はダンボール箱に眠ってます。スペースの問題を気にする必要がないという点は、電子書籍の最大のメリットだと思います。
アメリカで電子書籍市場が失速してるなんて話も聴きますが、紙にはない電子書籍ならではの良さは確実にあるので、なんとか続いていって欲しいもんです。
広島東洋カープ大事典
このブログやTwiterでも、特に最近はカープのことを書く割合が増えてます。
これも「物心ついた時には」の括りになりますが、親がカープファンだったこともあり、自分がいつからカープファンなのか、よく分かりません。
僕の本棚にはスポーツ関連の本も結構あります。プロレス、格闘技、サッカーなどいろいろありますが、野球関連が一番多いです。その大部分がカープ関連の本です。
カープ関連の本はどれも思い入れがあるんですが、資料価値と読み物としての面白さのバランスで言うと、この本が一番ですかね。山際淳司の「江夏の21球」が丸ごと掲載されてるのもポイント高いです。
今年のカープは期待値が高かっただけに、優勝できなかったのは残念です。そして、マエケンのメジャー移籍が濃厚なので、来年を思うと不安が募る今日この頃です。
ラジオデイズ
その昔、河出書房が雑誌『文藝』から「J文学」というムーブメントを仕掛けていたことがありました。
今にして思うと、「J文学」というネーミングもぶっちゃけダサいですし、かなり商業的な匂いのする仕掛けだったんですが、僕はかなりハマりました。
当時、「J文学」の端緒となった『90年代J文学マップ』に載ってる本や作家を片っ端から読みまくる日々を送ってました。『90年代J文学マップ』もまだ本棚にはあると思います。
改めて『90年代J文学マップ』で紹介されてた作家たちを思い起こすと、脈絡のなさを感じたり、今も一線で活躍中とは言い難い方も多いことに気付いたりしますが、それでも当時の僕は「これが時代の最先端!日本文学の新しい時代を切り拓くのはJ文学だ!」とわりと本気で思ってたわけです。
……これも黒歴史ですかね。
そんな「J文学」に括られた作家の中で、鈴木清剛は阿部和重、赤坂真理。あるいは作家じゃないですけど常盤響あたりと並んで代表格的に扱われてたと思います。僕が一番好きだったのも彼の作品でした。その中で一冊選ぶならデビュー作『ラジオデイズ』です。
最近、読み返してみたら、なんか古い友人と再会したみたいな気分になりました。
ロードス島戦記
中学時代、初めて自分の意志で文字だけの本(まあ、ちょっとイラストもありますけど)を読んで、そして本当に面白いと思ったのは『ロードス島戦記』でした。
今で言う「ラノベ」のプロトタイプになるんでしょうか?
当時はまだそんな言葉もなかったです。
僕に読書の面白さを教えてくれた作品です。
たぶんこの小説を読んでなかったら、僕は積極的に読書する人間にならなかったかも知れません。それくらいこの作品が僕に与えた影響は大きいです。
今でも定期的に再読してます。数年前に学校の図書室で海外作家が書いた最近のファンタジー小説を借りてきて読んでた息子に、「こっちの方が面白いぞ」と言って渡したら、案の定、息子のハートも鷲掴みにしてました。
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